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全方向視差高解像度計算機合成ホログラム(FPHD-CGH)

本来のホログラフィは「正にそこに物体があるかのように見える」立体映像を作り出すアナログ写真技術です.従来のホログラフィを現代のコンピュータ技術によってデジタル化したコンピュータホログラフィによって作製されるホログラムは計算機合成ホログラム(Computer-Generated Hologram: CGH)と呼ばれます.特に,全方向視差(Full-parallax)高解像度(High-definition)のCGH (Full-Parallax High-Definition CGH: FPHD-CGH)は,「正にそこに物体があるかのように見える」立体映像を再生することができます.

ColorShionII.gif

1948年に発明されたホログラフィは,70年以上の歴史を有する古い技術です.しかし,本物の,それも良くできたホログラムによる立体映像を見た人は,一様に驚きます.これは,それが再生する映像が単なる立体感を超えた深い奥行き感覚を与えるからです.古典的なホログラムは厚さがミリ単位の薄い板あるいはフィルムですが,その奥の深さ1メートル近い空間に実物がそこにあるように見えます.

古典的なホログラフィを現代のコンピュータ技術で実現したのがコンピュータホログラフィです.この技術を用いてFPHD-CGHを作成すると,古典的なホログラムの驚きの奥行き感が再現されます.現在では,立体映像の技術は数多くありますが,よくできたFPHD-CGHによる立体映像は,文字通り,それとは次元の異なる奥行き感があります.

残念なことに,この立体映像を写真やビデオで撮影すると次元が一つ失われるため,他の3D技術による映像と何が違うのかわからなくなります.これが,本当のホログラフィがネットやテレビなどのマスメディアでは持てはやされない理由となっています.FPHD-CGHの驚きの立体映像を体感していただくには,実物を見ていただくしかないのですが,ここでは,ビデオでその一端をお伝えします.


解説ビデオ

いずれも10年以上前の解説ですが,わかりやすく説明されています.


FPHD-CGHによる3D映像のビデオ

関西大学で制作したFPHD-CGHのうちのいくつかを撮影したビデオです.OSAと印されているのは,米国光学会(現在のOptica)のサイトに掲載されているビデオです.いくつかのFPHD-CGHは,上のニュースや解説内で紹介されています.

  • Butterfly, 2022, (株)KDDI総合研究所共同研究, 18cm×18cm, 構造化照明によるアニメーション+RGBカラーフィルタ方式フルカラー (RGBレーザー照明)
  • Color Shion II, 2018, 10.5cm×10.5cm, RGBカラーフィルタ方式フルカラー (RGBレーザー照明)
  • Color Cube 2b (OSA), 2018, 積層CGVH方式フルカラーフルカラー (白色LED照明),
  • Toy Train, 2018, 18cm×18cm, モノクロ(赤色レーザー照明)
  • Zero Gravity, 2017, 5.2cm×5.2cm, RGBカラーフィルタ方式フルカラー(白色LED照明)
  • Sailing Warship II, 2017, 18cm×12cm, モノクロ(赤色レーザー照明)
  • Triplane IIb (1), (2), 2017 , 18cm×12cm, モノクロ(赤色LED照明)
  • Ring in Cube, 2017, 6.1cm×3.5cm, 波面プリンタ, モノクロ(白色LED照明)
  • Tea Time (OSA), 2016, 6.5cm×6.5cm, カラーデジタイズドホログラフィ(実物体), RGBカラーフィルタ方式フルカラー(白色LED照明)
  • Casino Chips (OSA), 2016, 10.5cm×10.5cm, RGBカラーフィルタ方式フルカラー (白色LED照明)
  • Color Cube (OSA), 2016, 5.2cm×5.2cm, RGBカラーフィルタ方式フルカラー (白色LED照明)
  • Rubik Cube, 2014, 5.2cm×5.2cm, ダイクロイックミラーによるフルカラー再生 (白色LED照明)
  • Five Rings (OSA), 2013, 5.2cm×5.2cm, ポリゴン単位シルエット法(スイッチバック法), モノクロ(赤色LED照明)
  • Hamsters, 2012, 6.5cm×6.5cm, デジタイズドホログラフィ(実物体の拡大・縮小), モノクロ(赤色LED照明)
  • The Metal Venus II (OSA), 2011, 6.5cm×6.5cm, 鏡面スムースシェーディング, モノクロ(赤色LED照明)
  • The Metal Venus I (OSA), 2010, 6.5cm×6.5cm, 鏡面フラットシェーディング, モノクロ(赤色LED照明)
  • Bear II (OSA), 2010, デジタイズドホログラフィ(実物体), モノクロ(赤色LED照明)
  • Aqua 2 (Digitized Information), 2009, 10.5cm×6.5cm, 物体単位シルエット法, モノクロ(赤色LED照明)
  • Moai I (Digitized Information), 2009, 6.5cm×6.5cm, モノクロ(赤色LED照明)
  • The Venus (OSA), 2009, 最初のFPHD-CGH, 6.5cm×6.5cm, モノクロ(赤色LED照明)


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